介護施設・高齢者向け住宅の基礎知識
高級老人ホームの特長と選び方
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には、手厚いサービスが受けられる高級な施設があります。それらはひと言でいうと「あなたのワガママを叶えてくれるホーム」と言えるかもしれません。高級なホームは居住空間、設備、食事、介護、スタッフの質などが料金に見合った内容になっていて、細かな要望に応えてくれる柔軟さがある施設が多いのです。
高級なホームは、入居金が3000万円以上になります。高級なホームの特長や選ぶ際のポイントを事例とともにご紹介します。
目次
“これまでの暮らしを続けたい”という願いをかなえる
高級なホームはサービスや設備が整っているからこそ、生活を楽しむために自立しているときから入居する人が多い傾向にあります。充実したセカンドライフを望むのでしたら、続けたい趣味、興味のあるイベントを開催しているか、その他の希望を叶えてくれるか、などの点で施設を探すのがおすすめです。
相談事例①
長年、琴を弾くことを趣味にしていた60代の女性。入居後もその趣味を続けることを希望し、防音設備が整った居室のあるホームを選びました。好きな時間に琴を部屋で楽しむことができたうえ、ほかの居住者にも楽器を楽しむ人が多いという環境に喜んでいます。
こうした趣味を継続できる設備のあるホーム、サークル活動が活発なホームで暮らすと、気の合う友人やコミュニティに出会う機会にもなります。
また、高級なホームは手厚い介護や医療体制があるため、一般的な老人ホームよりもスタッフに余裕があり、入居者ひとりひとりに寄り添った介護を提供するホームが多くあります。入居者本人がどのような介護が必要か、持病があれば現在・そして今後どのような医療が必要かなどをホームに細かく相談して選ぶとよいでしょう。
自立向けの施設でも、入居してから数年が経ち介護が必要になった場合には、併設された介護付きの居室などに住み替えることができる施設も多くあります。先々までの安心感が得られるのも魅力です。
相談事例②
広いお屋敷住まいだった80代の男性は認知症による徘徊がありました。ご家族が希望されたのはできるだけ自宅の環境に近い広さや設備を備えたホーム。徘徊にも対応してくれる環境を探し、居室に書斎があり、かつ部屋の前に広い共用バルコニーがある介護付きのホームに入居されました。その結果、男性は部屋からバルコニーへと広い動線で自由に動ける環境を手に入れることができました。
細かなニーズに対応してもらえるので、個々の体の状態にあった介護を受けることができ、職員の人員配置も手厚いためご家族は安心して任せることができるのです。
これまでの暮らしを続けたい、できるだけ変えずに安心感のある暮らしをしたい、そういう希望をかなえてくれるのが高級老人ホームといえます。
高級ホームだからこその設備・サービスの特長
食事の提供、共用設備などは一般的な老人ホームにも共通して備えられています。では、高級な施設はその何が異なるのでしょうか。その特長をご紹介します。
レベルの高い食事
食事はクオリティが高く、舌の肥えた方をも納得する料理を、レストランのようなダイニングスペースで楽しむことができます。一般的なホームでは食事のメニューは1種類しかないところがほとんどです。しかし高級なホームでは数種類から選べる、和食・洋食・中華などのジャンルが多彩、コースやアラカルトがあるなど、その日の気分で選べるのが魅力です。なかには元ホテルのシェフが料理長を務める施設や、家族や友人を招いて一緒に食事ができる施設もあります。
充実した共用設備
一般的な老人ホームよりも共用設備が驚くほど充実しています。プール、トレーニングルーム、ビリヤード場、華道や茶道向けの和室、音楽ホールや礼拝堂がある施設も。高級になるほど共用設備が多い傾向があります。
豊富なレクリエーション・イベント
陶芸、体操などの教室の開催、コーラスなどのサークル活動と、趣味をより楽しむ活動が行われているところも多くあります。設備を利用し、寄席や音楽会などのイベントが開催されることもあります。
高級感のある建物・内装
高級なホームは建物やインテリアにも高級感のあるものが使われています。広いエントランスを抜けるとホールにはシャンデリアや豪華なフラワーアレンジメント、受付にはコンシェルジュがいて…と、まるでホテルのよう。広い庭園が備えられている、多くの植栽があるなど緑も豊かで四季を感じることができます。
広い居室
自立向けのホームは1人用なのに夫婦で暮らせる広さがある、コネクティングルームにできる、専用庭があるなど、間取りの選択肢が多いのが魅力です。介護が必要な方向けの居室も一般的な介護付き老人ホームより広く、家具を持ち込んだり、来客を招いたりできるお部屋もあります。
行き届いた介護・医療体制
一般的な老人ホームよりも手厚い介護体制を敷いています。職員の数が入居者に対して多く、一般的には入居者3人に介護スタッフ1人であるところ、高級なホームでは入居者1.5人に1人と、2倍のスタッフがいるホームも。機能訓練士・作業療法士によるリハビリ、科学的根拠に基づく先進的な介護など、施設によりさまざまな取り組みが行われています。
医療の面では、看護師が24時間常駐して夜間の医療的ケアにも備える他、多くの病院と提携して幅広い病気に対応ができたり、クリニックを併設していたりと、医療体制も手厚くなります。
閑静な住宅街や別荘地にある立地
東京であれば世田谷区や文京区、中央区など、高級住宅街や交通が便利な立地にあります。ご家族の住まいからも近く住み慣れた地域や、交通が便利な場所にホームを見つけることができます。
また、リゾート地に建つホームもあり、オーシャンビューやマウンテンビューなど自然に囲まれたのどかな暮らしが送れるホームもあります。
教育が行き届いたスタッフ
介護研修だけでなく接遇の研修がしっかり行われていて、お辞儀の仕方から話すスピードまでマナーが行き届いています。買い物や通院の付き添いなど、日常的な相談にものってくえる、きめ細やかなサービスはまるでホテルのコンシェルジュのようです。
これまでの上質な暮らしの延長線上にあるかのように過ごせる高級老人ホーム。こうした特長があるホームで、入居後に望む暮らしをイメージし、それに合うホームを探しましょう。
どのホームがどのような望みをかなえてくれるのか、ホームページやパンフレットだけではなかなかわかりません。優れた設備やサービスが整った施設ばかりだからこそ、細かい要望に応えてくれるホームを探すのは難しくなります。そんなときは「ハルメク介護と住まいの相談室」へご相談ください。ご希望を細かくうかがい、ご希望に合う施設を一緒にお探しいたします。